重複や不足がないよう板書案は必ず準備
生徒の手本となる文字の書き方も追究

古文講師  望月 光

インタビュー風景 ― 先生の授業の中で、板書はどれくらいの比重を占めており、どのような方針を持って板書をされていますか? ことばを扱う教科ですので、板書の比重は大きいですね。生徒には最初の授業で言います。「ちゃんと覚えてもらわないといけないものは絶対に黒板に書きます。重要なことをしゃべるだけで済ますということは絶対にしませんので、ちゃんと写してください」と。黒板に書いたものは絶対大事ですよという方針にしてます。一方で、本文を理解する上で必要だけど覚えなくてもいいことなどは、口で言ったり、崩した字で横書きするなどして区別していますね。

― 板書案などは事前に用意されていますか? 事前に用意します。絶対に即興では板書しない。昔から一貫して絶対にしません。即興で板書したら何が起こるかというと、「この話、前したか?」と生徒に聞くような先生になるんです。これは僕昔から嫌いですねん。重複がないように、欠けがないように、黒板と同じものを記録して残しておくようにします。いくつも授業を持っていると、だんだんどこのクラスで何を言うたか分からんようなるので、代ゼミの黒板に書いたものと同じものをいつも手元に持ってます。ただこれ、落としたら具合悪いんです…(笑)

― ノートの取り方はどのように指導していますか? 右から縦に書く板書は重要だと言っていますので、あまり細かく指導しなくても生徒側で分かってくれているようです。ただし、色チョークは気いつけんとあきません。生徒が「どういう色分けをしているのか」とよく聞きに来よる。僕は基本4色(白・赤・緑・黄)を使う。赤は滅多に使わず、ものすごく強調したい時のみ。その他の色は事前に伝える場合を除き、特に色分けに意図はないと生徒に話しています。

― 電子黒板が導入されている学校もありますが、古文の授業ではどんな使用の可能性がありそうですか? センター試験の解説などでは電子黒板は効果的でした。決められた時間の中で、長い本文の説明をします。先生も黒板に長文を全て書いてられへんでしょ。こんな時に電子黒板で「はい見て」と言って表示させ、線を引いたりすれば、非常に効果的だと思います。短い時間でお互いにどこを指しているか分かり、すっと話が通じますからね。

ただ、全ての授業が電子黒板ではあかんと思うんですわ。生徒も字を書けへんと忘れるようになる。電子黒板に加えて今までの黒板もあった方が良いと思います。電子黒板では色々な細工ができるけど、結局普通に書いた方が、生徒には受けがいいというアンケート結果もあるようです。先生が黒板に書いている授業中の時間は、生徒にとって無駄なようにも思えますが、生徒はこの間にちょっと考えるようになるそうです。この「間」が大切。「わー」と一気に話されると生徒側も受け止められへん。無駄がなさすぎるのも生徒にとってしんどいんでしょう。

インタビュー風景 ― 現場で頑張る先生方に板書に関するアドバイスをお願いします。 僕が今までに板書で気いつけてきたのは、字の書き方やと思いますね。どういう字が正しいのかについてはよう調べましたな。レイアウトや配置、デザイン性よりも、「正しい字」「ちゃんと読めるような字」を書かなあかんと思ってますねん。また、黒板で先生が書いた字と、生徒のノートの字とを見比べると似てくることが分かってきました。板書って恐いなと。間違いのない正しい字を、正しい書き順で国語教師が教えなくてはならないと感じています。若いこれからの先生方にも文字の研究、勉強についてはしていただきたいと思います。