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2013夏期「授業法研究ワンデイ特別セミナー」質疑応答集

2013夏期「授業法研究ワンデイ特別セミナー」
受講者から出た質問に担当講師が答える「質疑応答集」を公開!

2013年夏期 授業法研究ワンデイ特別セミナーの中で、受講者の皆様からいただいたご質問に対して、担当講師がお答えします。共通の疑問を持った現場の先生方に広く共有いただければ幸甚です。
※いただいた全てのご質問にはお答えできませんが、どうかご了承ください。

本部校出講日 科目 担当講師
7/28(日) 小論文 湯木 知史
政治経済 蔭山 克秀
生物 鈴川  茂
8/3(土) 英語(客観) 佐藤 慎二
文系数学 柏熊 成享
現代文 木村  勧
日本史 井上 烈巳
物理 福田 賢司
8/4(日) 英語(記述) 佐々木和彦
理系数学 吉田 克俊
古文 望月  光
世界史 諸岡浩太郎
化学 藤原 康雄

2013夏期 授業法研究ワンデイ特別セミナー「質疑応答集」


湯木 知史
小論文
【7/28(日)実施】

生徒からの質問「どうしたら(どんな勉強をしたら)小論文をうまく書けるようになりますか」にはどのように答えますか。
効果的な小論文の学習は、生徒自身が答案を書く、それを教師が添削を通して問題点を指摘する。その答案を指摘にしたがって生徒自身が書き直す、それを教師がチェックする、この繰り返ししかありません。ただ、その前提として、生徒に評論などの説明的文章を要約させることも効果的です。接続語や指示語の正しい使い方やプロの文体を学ぶことができるからです。その際には、指導する教師もあらかじめ要約例を作成しておき、生徒にとってどこが読みにくいか、まとめにくいかを知っておくことも大切です。
学年を追うごとにできていなければならない目安を教えてください。(高1では〜、高2では〜など)
高1〜2年の間に、読解力、要約力・記述力を身につけること。読解力とは、課題文を正確に読み取ることのできる能力(他者の主張を正確に理解する能力)で、これは入試現代文で要求される能力と同一のものです。要約力・記述力は、読解力を通して読み取ったこと、理解したことを表現する能力で、これも記述式の入試現代文で要求される能力と同一のものです。上記を踏まえ、3年次に論述力を身につけること。論述力とは、自分の意見主張を論理的に表現する能力で、小論文で要求される中核となる能力です。
添削時のポイントについて教えてください。
課題文読解形式の小論文を例にとると、添削時の大きなポイントは6つです。(1)課題文が正確に読解できているか、(2)問題提起がしっかりとできているか(論点が絞られているか)、(3)結論がしっかりと示されているか、(4)論拠がしっかりと示されているか(具体性、客観性があるか)、(5)問題・論拠・結論が整合的であるか、(6)答案全体の構成が論理的であるか。細かなポイントとしては、段落構成は適切か、一文が長すぎないか、接続語・指示語が適切か、誤字・脱字・不適切な表現がないか等です。
小論文指導力をつけるための方法として何か身近なもの(新聞を読むなど)をご紹介ください。
教師が小論文の指導力を養成するための方法は、基本的には生徒にやらせていることと同一と考えていいと思います。最新の入試問題の解答を自ら作成してみる。うまく答案がまとめられないと感じた際には、その原因を探求する。ただ、教師の立場では、課題文が与えられている場合であれ、テーマしか与えられない場合であれ、その原因の大半は、問題の背景やテーマの中心となる概念に対する知識不足のはずです。そこで、生徒の指導前に、インターネット等を使用して、あらかじめ勉強をすることです。あとは、その繰り返しによる知識の蓄積です。
小論文の結論の発想をどう得ればいいのでしょうか。結論は独創的な方がいいのでしょうか。
入試小論文の結論で求められるものは、「独創的な」ものではありません。大学入試で問われる「問題」は、社会福祉問題や環境問題を想起すれば明らかなように、専門家や研究者でも解決困難な「難問」です。どこかで聞きかじった、あるいはありきたりな結論でかまいません。小論文で問われているのは、その結論に至るまでの論拠です。具体性・客観性と結びついた論拠を的確に表現することです。それが入試小論文における「説得力」です。


蔭山 克秀
政治経済
【7/28(日)実施】

限られた時間の中で「基礎の基礎」からどのように教えていったらいいか、時間の傾斜配分のヒントをください。
僕はいちばん最初の頃、とにかく知識だけ覚えてもらおうと、穴埋め形式の自作ノートを生徒たちに印刷して配り、「その空欄とまったく同じ形で試験に出すから」と言って勉強させました。ところがそのやり方は、内容理解がメインの公民科目にはまったく合わず、センター過去問や論述形式の問題では全員ボロボロになりました。ですから今は、まったくの初学者(例えば高3の2学期から授業に合流する現役生)には、まず自分の参考書の「文章だけ」を理解できるまで読んでこさせ、その上で自作の正誤判定○×プリントで本当に中身がわかっているかテストしています。とにかく公民は、暗記から入らせないよう気をつけてください。
生徒の苦手意識をなくさせるためにどんな工夫をされていますか。
生徒と教え手は、同じような単元に苦手意識を持つことが多いので、まず教える僕の方が、苦手意識や単元の好き嫌いを悟られないようにしています。僕も正直言って、政経・倫理・現代社会のすべての分野が好きなわけでも得意なわけでもありません。しかしそれが授業に出てしまうと、生徒が不安になったり雰囲気を盛り下げたりしてしまいます。だから僕は、例えば正直あまり気乗りしない儒教思想や日本の仏教伝来のあたり、あるいは政経の国民所得計算あたりをしゃべる時は、まずふだんの2倍以上の時間をかけて予習し、その単元を完全に頭に入れた上で、さらに授業前15分から他講師との世間話もやめて授業の組み立てに集中します。そして授業中は、その単元が大好きだと思い込み、ふだんより高いテンションで一気に駆け抜けます。生徒に個別対応する前に、まずは僕の場合、こういうやり方を実践しています。
演習授業の解説には1問あたりどのくらいの時間をかけて行いますか。
センターの過去問演習の場合だと、だいたい10〜15分です。ただし、すべての選択肢の説明をするつもりはなく、特に説明の必要な箇所に集中的に時間を割きます。そのやり方だと、生徒から「すべて説明してください」と言われることもありますが、選択肢の中にはただの時間の浪費以外の何ものでもないものも多いので、そういうものは説明を省く理由を述べた上で、絶対に説明しません。さらに経験上言うと、すべての選択肢を理解したがる生徒は、ムダな選択肢にこだわりすぎて本番で時間不足に陥ることが多いので、それも本人に伝えてあげた方がいいでしょう。私大の過去問演習は、時間で区切れるものではないので、ここでは省略させていただきます。
他教科が優先され、家庭学習の時間が少ないため、どうやって生徒を意識改革させるかに悩んでいます。何かヒントをください。
普段は息抜き感覚で面白がってくれる公民科目も、いざ受験勉強となると、なかなか時間を割いてくれないのが現実です。ですから僕も、日頃からの意識づけが大切と考えて、よくその辺の話を授業中にします。僕の場合、まずセンター試験で満足いく点数が取れたら、いかに未来が開けてくるかという明るい話をします。例えば、センター利用で早慶を始めとする六大学レベルでもおさえにできる、あるいはセンター比重の大きい国公立なら、その得点だけでほぼ合格できる、などです。その上で、それら高得点を取る人は、ほぼ間違いなく公民は「得点源」にしており、平均点とは無関係に90点以上を取っている話などをします。その上で、最後にちょっぴり「公民で手を抜いた結果、センター翌日泣きながら僕に謝りにくる生徒」が、毎年必ず何人かいることも伝えます。二次科目偏重が過ぎると、センターで本命校の第一段階選抜にひっかかる事実は、必ず伝えてあげましょう。
伝える情報をカットする際の基準と、カットした際のフォローについてどのようにされていますか。
公民科目は、与えられている授業時間が他科目より少ないことが多いため、基本的に時間が足りません。ですから僕も、授業で扱う所とそうでない所は分けて授業計画を作ります。その際、授業での説明を省く箇所の基準は「読めばわかる箇所+覚えるだけで対応できる箇所+あまり出題されない箇所」の3つです。これらの箇所については、読むだけでわかるていねいなプリントを作成して配布し、説明をカットする理由を伝えた上で、「質問があれば必ず聞きにくるように」という指示と、「必ず試験には出す」という指示を出しましょう。そうすれば生徒は自発的に学んでくれています。なお、指示しても全然言うことを聞かない生徒もいますが、そういう生徒は授業そのものも全然聞かないタイプなので、なるべく気にしないようにすることも大切です。個別指導でない以上、ある程度そういう生徒が出ることは避けられません。


鈴川  茂
生物
【7/28(日)実施】

新課程入試問題の傾向予想を教えてください。
日々私も大変頭を悩ませております。結論から申し上げますと、「新課程に移行しても、入試対策の内容はほぼ変えない方向」で考えております。つまり、今後もいくつかの教科書には記載されていない範囲が出題されると予想されます。理由としては、数研出版や第一学習社などの“資料集”には、新課程で漏れてしまった「浸透圧・膨圧曲線」「メンデル遺伝」「連鎖と組換え」「伴性遺伝」などの記載があります。これを元に大学側が問題を作成しないとは言い切れないからです。実際2013年千葉大の入試において、教科書には記載されていない「真核生物の遺伝子発現調節」が“知識問題”として出題されました(この範囲は資料集には記載されています)。受験対策のプロとしては、このあたりの対策もきちんとしていくことが“必須”であると考えます。ただ、新課程になって増えた範囲については、今までの範囲にプラスして対策していく必要があると思います。
問題演習授業の進め方はどのように行っていますか。
単問形式の知識問題は予習させることで生徒自身にやらせるようにしております(代ゼミのテキストにはあらかじめ解答が記載されております)。その上で、実験考察問題の解説を中心に解説を行っていきます。その際にテキストの答えを見て「分かった!」と思っている生徒に対して、“なぜ”そのような考え方になり、“なぜ”このような表記をする必要があるのかを、リード文と解答とのつながりを強調して指導していきます。私の解答に至るまでの思考回路の順番(アルゴリズム)をすべて黒板に明示していくことをなるべく心掛けております。
論述が苦手な生徒に対する指導法はどのように行っていますか。
本セミナーのテキストの巻末に示しました問題を課題にしております。最初は知識論述を訓練させることで、「主語と述語の関係をしっかりと明記する」など、基本的な論述力を養成していきます。本セミナーのテキストに記載しました「ルール」を元に、1題10点満点で出題・採点し、“なぜ減点されたのか”を生徒に明示するようにしております。その際、課題をあまり多く出しすぎると、論述が苦手な生徒はすぐに投げ出してしまいますので、なるべく少ない課題として、私は毎週3〜4題ずつの課題を出します。そのような訓練を継続的に行った後は、実験考察における論述力を養成していきます。その方法として、実際の入試問題の過去問を解いた生徒に実験論述の解答を持ってこさせ、その採点を任意に行っております。
基本的な用語を覚えさせるためにどんな工夫をされていますか。
私は,本セミナーで紹介させて頂いた“順番をつける色分け”で覚えるべき用語を強調しております。あとは、授業を行った直後に“授業で扱った範囲”の穴埋め形式などの基礎的な知識問題を解かせるようにしております。板書ノートと問題の“架け橋”を生徒自身で架けさせるよう教示します。板書ノートを覚えるだけの生徒における用語の定着率は“低い”と考えております。本セミナーでもお話しいたしましたが、私自身、「鈴プリ」という私独自のプリントを生徒に(ネットを通じて)配布させていただいております。生徒にとって“架け橋”が架けやすいように、私はこの「鈴プリ」を基準に考えて板書しております。このやり方では、受験範囲の100%の用語を扱うことは難しいですが、定着率は“高い”ものであると実感しております。結果的に入試における“合格ライン”に載せるようになると思います。
ついつい板書が多くなってしまうのですが、板書をする際の注意点について教えてください。
私は本セミナーで実践させていただいたように、黒板をパネルで区分けして、各パネルごとに表記する板書内容をあらかじめ決めておくように努力しております。1パネルにつき、5〜6行以内に抑えるように“大きい文字”で板書するよう意識しております(“大きすぎる”くらいの意識です)。あとは、前問で表記させていただいた“順番をつける色分け”を行うことで、生徒に伝える重要度にも順番がついていきますので、必然的に書く内容は削られていきます。生徒が板書ノートを後で見たときに“バイブル”になるように心掛けています。また、本セミナーで板書させていただいたように、黒板に☆や※などの記号を多用していくことで、書くべき用語の“二度手間”を減らし、スマートな板書作りを目指しています。


佐藤 慎二
英語(客観)
【8/3(土)実施】

英作文に必要な力をどのように定着させていくかについて、ヒントをいただければと思います。
英作文の上達の道は、文法単元を含む例文の理解と暗記を繰り返し行うことだと思います。特に、品詞、句、節の概念をしっかり伝えることにより英作文の力だけではなく読解力をつけるのにも役立ちます。前置詞と名詞はセットで使う、to 不定詞の後ろには動詞の原形が来る、主格の関係代名詞の後には原則的に動詞が続くなど当たり前に思える知識をしっかり指導しながら理解と暗記の反復をさせることが重要だと考えます。もう一つ効果的に思えるのは、重要文法事項を含む文を整序問題(日本語の参照あり、なし共に可)で解かせ、その後にその文の英作の練習をさせるというものです。整序問題は品詞の重要性を認識させる上でとても効果があると思えるからです。
もし高校で授業をお持ちになられたとしたら、どんな授業スタイル、授業展開で行われますか。参考にさせていただけたらと思います。
高校で授業を実際に行う場合でもやはり読解力をどうつけるかを念頭に入れ授業をすると思います。リーダーのテキストの英文もすべて品詞、句、節の組み合わせでできています。構文が複雑な文では構文図などを板書し、一文一文を正確に読む力をつけることが大切だと思います。また、英語が苦手な生徒は100%英作文が出来ないという事実を考慮し、本文中の重要例文を日本語を見て英語に直せるように反復練習をさせることも必要だと考えます。その際にはただ根性で暗記させるのではなく、品詞、句、節のルールをしっかり認識させることが必要不可欠です。
生徒の学力を正しく把握し、力を伸ばすための課題を明確に提示するためのヒントをいただけないでしょうか。
英語力とは語彙力、文法力、構文力、長文力の4つの総合力だと考えます。語彙力は単語力と熟語力から成り立ちますが、単語力は信頼できる単語集とテキストなどで出会った単語を反復させることによって身に付くと考えます。またゲーム感覚(日本人が身近に感じている英語、例えばエッセンシャル・シャンプーのエッセンシャルのスペルと意味を覚えさせたり、夜明けだドーン(dawn)などのようにゴロで覚えさせたり、さらに生徒たちにその他のものを調べさせたり、作らせたり)を用いることで単語に対する興味が増すと思います。熟語は入試で頻出なものを200〜400プリントにして配布し、反復させたり、takeを用いた熟語ベスト10などのインパクトがあるタイトルで熟語に興味を持たせることも必要だと思います。文法力には2種類あると考えます。1つは文法問題には出るが読解力にはあまり影響がないadviceなどの名詞の語法です。一方関係代名詞のwhatは文法問題で出題されるだけではなく読解力をつけるうえでも必要不可欠になります。2つとも市販されている問題集を反復することである程度身に付きますが、読解力に通じる、句、節など概念を含む文法力は構文力に も通じるところがありますので、より力を入れて指導する必要があると思います。構文力、長文力については次の質問を参考にして下さい。
読解の際に、丁寧だがスピードのない生徒への指導法としてどのようなものがありますか。
読解で大切なことは、まずは1文1文を正確に読むこと、すなわち精読の重要性です。複雑な構文を含む文でも訳せるという人がたくさんの英文を読むことにより、文を読むスピードが上がり結果的にどんな文も正確に速く読むことが出来るのです。しかし、なかなか読むスピードが上がらない人はわからない箇所があると、そこで止まってしまうことが多いです。英文では言いたいことを基本的に繰り返すので本文のある部分を読んでいてわからなくても次の文を読むとわかる場合がよくあります。「わからなければ次を読め」という考え方を実践することで読むスピードが上がると思います。
生徒の学力やモチベーションに差が大きいことが悩みです。どのように工夫したらよいとお考えですか。
同じクラスにも英語が得意な生徒、苦手な生徒、英語に関心がある生徒、ない生徒がいると思います。そんな場合には扱う例文のレベル、内容、登場人物など工夫することにより状況を改善できると思います。例えば、関係代名詞のwhatを用いた例文(1)What he said is true.を(2)I think that what he said is true.や(3)If what he said is true, I apologize to him.などにすることでレベルが違う生徒に対応ができます。またstop+〜ingのパターンを理解させる際にI can't stop loving you.のような少しキザな例文を用いたり、Compared with him, Tom is nothing.という例文をCompared with Messi, Honda is nothing.などと人物を工夫するだけでも生徒の英語に対する興味を引きだせると思います。


柏熊 成享
文系数学
【8/3(土)実施】

生徒が自ら家庭学習の習慣をつけるために、どのような指導をすればよいのでしょうか。
重要なのは、目標から逆算させることだと思います。大目標として、「大学合格」をあげるとします。「センター7割5分をとる」→「センターの科目数把握」→「各科目での目標%を掲げる」→「いつからセンター対策を始めるかの決定」→「準備としての学力は、どの程度必要か」といった具合です。その際に必要となるものが3つあります。1つは、「数字によるデータ」です。10の説明よりも、1の数値データを見せられる方が、人は納得するものです。今回のテキストのセンターの数値データを活用していただけると幸いです。2つ目は、「失敗した生徒の例」です。いつから始めたから間に合わなかった等の、具体的な期間や、間に合わなかった科目例を挙げることです。3つ目は、「合格した生徒のサクセスストーリー」です。これが一番効果があると思います。特に、逆転劇は生徒の希望にもなります。こういった話を、機会を見つけて伝えていただけたらと思います。
40人一斉授業などで満足させられる生徒の割合をどう増やしていくかのヒントをいただけますか。
導入では学力不足の生徒を救うための基本事項の確認を行い、別解などで学力のある生徒を満足させられるよう工夫しています。また、基本例題を解説した後に、これと数値が異なる程度の問題と、少し注意を要する問題とを用意します。前者は数学を苦手とする生徒のための問題で、基本例題と同様に解答することで解けることを確認します。反復練習の場を設けることが目的です。ただし、これだけではできる生徒が物足りなさを感じるので、後者の、落とし穴がある問題(例:文字の割り算があり、文字≠0の場合分けを必要とするものや、軌跡などでは軌跡の限界が出てくるもの等)を、「これができたら○○大学合格」と伝えつつ「チャレンジ問題」として出題します。この問題選択には気を遣います。難しすぎても、簡単すぎてもいけません。ここで、教師側の「問題を見る目」と、担当クラスの「レベル把握」が問われます。普段から机間指導や発問により、生徒の学力把握をする必要があります。
学校のテストは点数が取れるが、模試で点数が取れない生徒に対する指導法はどのようにすればいいとお考えでしょうか。
学校の問題のほとんどは、テーマや聞かれているものが明確であるものです。みんなが分かる問題文であるため、生徒は「みたことがある、知っている」という判断で、解答できるかどうかを決めているように思えます。それに対し、模試・入試の問題文は「みんなが分かる様に書かれてはいない」ということが、大きな違いだと思います。まずは問題文の条件をチェックする。問題が解けないのではなく、問題文を読めていないことがほとんどです。条件把握に集中させることが一番大事です。その次に、条件を言い換えることです。教科書の例題で聞いたことがある条件に言い換えることができないかを、考えることが必要だと思います。以上の2つが、「模試・入試問題」において、問題を解き始める前に必要とされる行動だと思います。それが終わったら、「与えられた条件」を数式に書き換える。これで問題を解く準備ができたといえるでしょう。
テキストを作成されるときは、どのような観点で問題を選定されていますか。
第1に、「テーマが明確な問題」であることです。教師側には当たり前であっても、生徒にはそうでないことがほとんどです。まずは、「テーマを発見できるワード」が見つけやすいものを選ぶようにしています。第2に、「テーマが複数にわたり過ぎてはいないか」に注意することです。解説の際、あれもこれもと説明に説明が重なると、聞いている生徒は混乱していきます。そうならないために、キチンと自分で解いてみることが必要です。解答解説を見ただけでは見えないことが多くあります。第3に、「有効な別解があるか」です。スタンダードな解答をみせ、その次に上級者のための「別解」が用意できるかです。ここで注意したいのは、その別解が「テクニカルでないこと」です。他の問題でも多く見られる、生徒にとってムリのない有効な解法であるかということです。この点は、普段から多くの問題に触れているかが問われるため、毎年の主要大学の問題には目を通したいものです。
過去問はどのように分析されていますか。どのくらいの大学まで分析対象にされますか。
毎年、入試問題正解(旺文社)、入試問題集(数研出版)、大学への数学(東京出版)などを購入しています。問題を調べて、良問をストックします。その際、(1)テーマ(2)年度・大学・学部名(3)出典を必ず記しています。テーマを入れるのは重要です。これで検索ができ、問題をテーマごとに編集していると、教材作成の際に、非常に役立ちます。これを行っていると、問題の分類が自分の中でより明確になり、問題解説の際にも役立ちます。大学は、入試問題正解(旺文社)に掲載されている大学を、主な分析対象としています。それでも取りこぼしがあるため、大学への数学なども活用しています。ストックする基準としては、「テーマがかなり明確な問題」、「定石解法が学べて、解答にストレスを感じないもの」、「自分が普段教えている解法が使用できるもの」、そして「教科書レベルの入試問題」です。特に、最後のものは、現役生が入試問題に慣れるための教材です。


木村  勧
現代文
【8/3(土)実施】

現代文を指導するにあたり、最も大切にすべきことは何でしょうか。
あくまでも私見をお伝えします。現代文は、非常に多岐にわたり、それゆえ極めて広範な内実を備えた科目だと思います。具体的には、作品・思想の内容の体系的な把握、作者の文学史的・思想史的・個人的分析、文章の構成法、読解法、等々をあげることができます。従いまして、現代文の指導に当たって、最も大切にすべきことは、その指導において何を目的とするのかを明確にすることだと考えます。例えば、私(木村)の場合でしたら、あくまでも大学入試において(さらに細かく言えば、個別の大学の入試問題に対して)いかに正確に合格点を導くか、という点を主眼にしたうえで、上記、作品・思想の内容の体系的な把握、作者の文学史的・思想史的・個人的分析、文章の構成法、読解法、等々を伝えていくことになるというわけです。
小説指導の際、生徒の多様な意見が出た場合、その収束のさせ方と、生徒への理解のさせ方についてアドバイスをください。
まず教師の側で、自らが是とする小説解釈の方向性と方法論を備えておくべきでしょう。例えば、私(木村)の場合ですと、小説解釈における方向性・方法論は以下のようになります。「小説とは、作者がその時代に応じた人間像を描出するもの(人文科学的=文学的人間像の把握)と捉えた上で、理性・感情・潜在意識のどの領域が、その人物に具体的に作用しているのかを分析していくものである」という基本的手法を生徒に了解させたうえで、授業を展開しています。このような基本軸をもとに、授業の場での収束の方向性を幾つか打ち出していければ良いと思います。
こちらが説明をしても、かたくなな持論を用いて受け入れようとしない生徒を納得させる方法などありますでしょうか。
かたくなな持論を持っている生徒は、逆に言えば、考え方が一面的で、単純な思考回路の持ち主だともいえるでしょう。このような生徒は、自らの考えを改めざるをえない必然的な事態に遭遇した折には、むしろ単純かつ容易にその考え方を変更するように思えます。従って、最も有効な対策は、その生徒の持論によっては解けない入試問題をいくつか用意し、その持論の欠点に気付かせることです。そして同時に、こちらの指導方法に依ることで簡単にその問題がクリアーできることを分からせると良いでしょう。
暗記型生徒の増加に対して、指導について何かアドバイスをいただけませんか。
暗記型とは「自己完結型」であると考えます。当然、暗記型の思考回路は、自己中心型、あるいは自己が暗記を通じて採りいれた情報への依存型となり、柔軟な発想ができなくなります。世間では、暗記型の生徒には「思考力がない」、といわれますが、これは言葉のマジックであって、このような生徒も生身の人間として「思考する力」は当然あるわけです。むしろ暗記型の生徒は、「多様な意見の可能性を前提とした柔軟な思考」ができないというのが、正しい見方であると考えます。従いまして、このような生徒達への指導方法として有効なのは、多様な意見のぶつかり合いの中で、自分の意見を形成してゆく経験を積ませることだと思います。具体的には、評論文であれば、身近な問題について(時事ニュース等)みんなで意見を出し合いながら一つの評論文を完成させてみたり、小説であれば、皆で小説やドラマを作っていくという作業をさせてみてはいかがでしょうか?(もちろん教師はアドバイサーとして参加することが前提です。)
今の生徒に響く、やる気を起こさせる方法などありますか。
「今の生徒」は、時代と共に変容します。例えば、3年前の「今の生徒」と2013年の「今の生徒」とは異なるといえるでしょう。大切なことは、「今の生徒」が育ってきた環境を、教師の側で良く把握しておくことでしょう。なんでも便利で「コンビニ」は当たり前、情報もケータイやスマホを通して極めて容易に入手できる環境で育った生徒たちに、教師の側が考える「学び甲斐のある苦労」を説いても、「今の生徒」たちにはピンとこないでしょう。大切なのは、今の生徒が考える「学び甲斐のある苦労」「やるべき努力」とは何かを把握した上で、そのような「今の生徒目線」での「苦労」や「努力」を説くことでしょう。「今の生徒」たちがハマっている「コミック:例えば、ワンピース、エヴァンゲリオン」やゲームでどのような人生訓が説かれているのかを知ることも有効なように思います。


井上 烈巳
日本史
【8/3(土)実施】

若い教員に望むこと、若いうちにしておいたほうがいいことなど、アドバイスがあればお願いします。
生徒との世代の近さを生かした視点が強みですね。授業の中で、日常の話題から日本史の世界に展開することで、歴史への関心を喚起するチャンスだと思います。また、歴史学の新しい傾向を、どんどん学校現場に反映させていけるよう、教科書会社や各種研究会の論文雑誌をお読みになると良いかと思います。教える側は、一度ペースができると、作り上げた自分の「型」にこだわりを持ってしまいがちで、変革が少なくなっていきます。若い先生が現場で問題提起をすることは、教師間で刺激を与え合い、授業力を向上させることに役立つと思います。答えや方法論が決めつけられる科目ではありませんから、若い先生が率先して、議論していく姿勢を示すことができると素晴らしいですね。
センター試験に向けた授業以外の対策をどのようにさせていったらいいのかについての、ヒントをください。
センター試験の多くは正誤判定による問題となっているため、一問一答的な学習法に終始してしまうと、記憶している語句が正誤の基準でない場合には、解答の手がかりを得られない生徒が出てしまいます。やはり、教科書を「文章として読む」という学習が必要となるわけですが、授業で読み合わせることは、現実的に時間面でも学習意欲を喚起する面でも、マイナスが大きいですよね。授業を聞くことによって、事前には難しかった教科書が「読める」ようになっていることが、生徒にとっての理想ではないでしょうか。そういう意味では、教科書に準拠して、自習の便宜を考慮した授業が望ましいと思います。また、センター試験は各時代が万遍なく出題されている試験でもあります。過去問の中で、既習範囲のものを適宜演習させてみることで、早い内からセンター試験の問題形式に意識が高まると思います。
生徒に興味関心を喚起する文化史学習方法などありますか。
文化史学習のハードルは、「苦手意識」と「暗記量」の2点にあると思います。このうち、苦手意識の方は、古代文化史の多くを占める仏教について概念的に曖昧な生徒が多いことに起因していないでしょうか。文化史学習の初めの段階で仏教についての基本概念に時間を割くと、年間の授業展開や生徒の関心喚起が容易になり、結果的には授業時間の節約にも繋がると思います。また、近現代から学習が始まるカリキュラムの場合は、文化史が現代生活と視覚的に直結しやすい分野であることを生かして、絵画や音楽の系統で歴史上の人物を現代の人物につなげるなどの工夫が喜ばれます。網羅的に授業することは興味の無い暗記を強いることになるので、一部の分野から興味を喚起して、自発的に文化項目の暗記をするように促すことが、「苦手意識」と「暗記量」を克服させることに繋がると思います。
板書量や補助プリントの空欄量はどのくらいにしていますか。参考にしたいのでヒントをいただけますか。
板書量やプリントの空欄量は、黒板や教師を見る時間1:手元のノートに書き込む時間1に近づくように、クラスレベルに合わせて調整しています。セミナーの中でもコメントさせていただきましたように、重要語句の書き取りを必須事項と考えると、学力レベルによっては単なる穴埋め作業に終始することになってしまうので、得策とは思えません。もちろん、間違えやすい字や類義語に関しては注意を喚起するために優先的に空欄にしています。また、系図や地図の中には、教科書や副教材の完成版を見ても情報量が膨大すぎて生徒の頭に入らないものがあります。板書で骨格を示した後に教材を見せるなどの工夫が有効でしょう。板書で全てを完成させることが教師の自己満足になってしまってはいけないので、全ての学習教材と連動した授業が望ましいと思います。
生徒への発問の箇所や回数はあらかじめ決めているのでしょうか。
理解や論述の核になる部分を中心に発問候補はいくつか用意していますが、実際に発問するかどうかは、教室や生徒の様子によって変動してきます。聞き入っている時は、出来るだけ因果を連続して説明してあげた方が効果的だと思います。逆に、生徒の集中力が欠けはじめて、授業を流し聞きしはじめた瞬間などは、いったん流れを止めてでも、発問で考えさせる方が良いと思います。そういう意味では、発問はどこでもできるのが望ましいです。「答えを引き出さなければ」と思うと、思わぬ沈黙や計算外の発言に混乱しがちです。「君ならどう思う?なるほど、他にこういう見方もあるんだよ」といった感じで、生徒と対話を楽しむような意識がポイントかと思われます。


福田 賢司
物理
【8/3(土)実施】

入試問題を用いた授業の展開方法についてのヒントをいただけませんか。
入試問題を授業に用いる場合は、目的に応じた使い方の配慮が必要となります。一般的に入試問題は、総合的な実力を問うような問題設定になっている場合が多い(特に力学)ので、生徒の総合力、解答力を伸ばすための授業や大学別対策などの授業であればそのまま入試問題を使ってもよいでしょうが、単元別の授業で使用するならばその分野に関する内容に特化させるためにも入試問題から不必要な部分を削除し、問題自体に手を加えるようにしなければならないと思います。前者ではまず問題を最後までよく読んで、問題自体の全体像を把握させることが大切です。各設問間の関係や誘導の仕方に注目させ、解法に必要な法則や原理について簡単に説明した上で解説していくような授業展開が理想的だと思います。後者は教科書傍用問題を解いてある程度の考え方が定着した上で、入試問題にどう対応できるのか挑戦させるような授業展開が望ましいと思います。
生徒が苦手や嫌いでも、勉強に向かわせる動機はあるのでしょうか。何かヒントをいただけませんか。
机上の学習のみで公式を覚えたり問題を解いたりするだけでは、物理を学習する本来の意味を失ってしまいます。物理とはまさに「物の理」を探求する学問です。生徒にとっては気怠いと感じるかもしれませんが、身近な自然現象について観察させ、どうしてそうなるのかなどをレポートとして提出させたり、各単元に出てくる物理実験を実際に行ったり、とにかく生徒自身が手を動かし考える時間を与えることが必要だと思います。大学受験を意識しなければならず、そのような時間を割くことができないのはもっともですが、教室でできる簡単な演示実験や物理図鑑(フォトサイエンスなど)でも構わないので、物理現象を生徒の目に触れさせることが大切です。また、物理法則や原理を教授するにあたっても、どのようにして物理法則が生まれてきたのか、なぜこのような法則が必要なのか、歴史的観点からみた話題作りをしてみてもよいと思います。
苦手意識を持たせないよう、簡単な問題を独自作成のプリントで解かせる授業を行っています。こういった指導法をどうお考えでしょうか。
独自のプリント学習をさせている先生方は多くいるようで、書き込んで作る参考書として「サブノート」なども出版されています。生徒が自発的に学習し、単元全体の流れやポイントを押さえる方法としては非常によいアイテムだと思います。ただし、気をつけなければならないのは、これで完結にしないことです。プリント学習は生徒の方も達成感が得られやすく、これでおしまいにしてしまう恐れがあります。つまりできた気持ちになっているだけで、いざ入試問題を解いてみると手も足も出ず、嫌気がさすケースが多く見受けられます。基礎学力を定着させるだけであれば、簡単な問題を解かせる授業展開でよいと思いますが、受験を意識した学習まで考えるのであれば次のステップまで見越したプリント作りと授業設計が必要だと思います。
個別添削指導をする際の問題の選び方のヒントをください。基礎問題を多くこなすのか、生徒の実力より少し上の問題を一つずつ与えるのか、などです。
生徒の実力にもよりますが、スモールステップの原理に基づいた段階的な問題の与え方をするのがよいと思います。私は大まかに4から5段階に分けて与えるようにしています。例えば、(1)物理法則や公式に慣れてもらうような導入的な問題。(2)教科書傍用の基礎的な問題。(3)単元別の基礎的入試問題。(4)単元別の標準的入試問題。(5)総合的な標準的入試問題。これらの問題を生徒に学習させ、躓いた問題に関してはもう一度下位の段階に戻って同じような類題を反復させることが大切です。基礎的な問題と標準的な問題は、結局問題文に書かれたヒントが明瞭でワンステップで答えを導けるか否かの違いが大きいと思います。また、単元別に学習するのは当然ですが、生徒の方も使う法則や公式を意識しているため、解答できる場合があると思われます。受験を意識するのであれば、最終的には総合問題を与えて(つまり単元を意識しないようにして)解けるようになるのが理想的です。
授業中での解説と演習のバランスはどのように工夫すべきでしょうか。ヒントをいただけませんか。
おそらく高校での授業は50分だと思われますが、この限られた時間で解説と演習を同時に行うのは厳しいことだと思います。単元別学習では演習問題の内容を特化して10分程度で解答できるような内容にする必要があると思います。また、入試問題などを用いる場合には、生徒の出来不出来で解答時間にかなりのばらつきが出てしまいます。したがって、各小問を段階的に解説と演習を交互に行うような方法をお勧めします。ただし、入試問題は問題の流れをつかみ全体像を掌握することが大切ですので、最後にまとめの時間をとる必要があります。演習に関しては次回までの宿題にするのもよいと思いますが、生徒の本来の実力を見るためにはその場で演習させ、机間指導をする方が望ましいと思われます。


佐々木和彦
英語(記述)
【8/4(日)実施】

生徒が自宅で長文読解に積極的に取り組むためのモチベーションを、授業中にどのように高めるかについてのヒントをいただければと思います。
生徒が自力で英文を読む力がなければ、自宅で英文読解に取り組む気にはならないでしょう。ですから、まずは、英文を読むための基本的なルール(文型、節、句の捉え方など)を徹底して教えることが先決でしょう。そして、一定のルールに従えばある程度自力で英文は読めるのだという実感を生徒に与えることが大事だと思います。生徒に読ませる読解の題材は生徒の語彙力をあまり越えないものを選ぶか、前もって重要単語を提示し覚えさせた後で題材を与えた方がよいと思います。辞書を引くことも大事な作業かもしれませんが、辞書を引く負担が増えると英文の流れを意識することを忘れてしまいますし、わからない単語をまわりの文脈から推理するという作業も行わなくなってしまう恐れがあります。
文法問題の解説が単調になってしまうことが多いです。何かヒントはございますか。
解説が「単調」になるとはどういうことなのかがわかりませんが、その問題で問われている知識に対して、そこから派生するような知識や事項を付け足して話を膨らませるとよいかもしれませんね。たとえば、2重目的語を伴えない動詞としてexplainを選ぶ問題があった時、explainを二重目的語をとらない動詞として覚えるように言うだけよりは、二重目的語を伴える動詞にはgive, send, lend, teach, show, tell, ask, get, buy, findなど、圧倒的に「母音が1つ」の動詞が多いので、そのことを考えるとexplainという動詞は「母音が2つ」なので、いかにも二重目的語を伴えそうもないことがわかるなどということをお話すると、話は膨らむし、生徒の記憶にも残りやすいかもしれませんね。
授業内容をどう模試・入試にリンクさせるかに悩んでいます。何かアドバイスをいただけませんか。
授業の内容はあくまでも目標があって成立することだと思います。ですから、「授業内容をどう入試にリンクさせるか」ということで悩む前に、そもそも、「入試にリンクさせる授業を行うのかどうか」を明確にすべきだと思います。個人的には、入試に直接リンクしない英語の授業があってもよいと思います。(もちろん、英語を教えるのですから、全くリンクしないなどということがあっては問題ですが。)しかし、「入試にリンクさせる」ことを目標とするなら、まず、入試を研究して、どのような知識や内容が問われているのかを把握し、それに合わせて教材を選ぶか、既成の教材を用いるなら多少は加工する(設問を付け足すなどする)ことも必要でしょう。
文法は理解できているのですが、長文読解となると文法が活用できず、単語の意味を拾って日本語訳をするだけになってしまう生徒が多いです。何かいい指導法などございますか。
文法を教えるということが、「文法問題を解くための文法」を教えることになってはいませんか?生徒が長文読解に文法を利用できないことを嘆く前に、長文読解で文法を利用するとはどのようなことかを、読解の授業で先生が積極的に示すべきだと思います。長文読解の授業が細かい文構造の解析の授業になってしまうのも問題ですが、文法は、英文の構造を前から予測するために有効な手段ですし、節や句の働きを無視すると、大きな誤訳を生むことを授業中に意識的に提示することで、生徒も長文読解で文法を活用するようになると思います。
基礎、基本を入試段階での活用までどうつなげていくかについて、工夫されていること等ございますか。
ご質問の「基礎、基本」が基本的な文法事項などのことをおっしゃっているのなら、特に工夫はしていません。常に、基本事項を使ってみせることが大事だと思います。常に使える道具であることを生徒に提示しなければ、生徒はその道具を使いたいとは思わないでしょう。そして、もし、教えていることが入試レベルの英文で通用しないのなら、それは「基礎、基本」とは言えないと思います。私が何か工夫している点があるとするなら、どのレベルにもなるべく通用する汎用性のある事項を「基礎、基本」として生徒に提示するということです。


吉田 克俊
理系数学
【8/4(日)実施】

教科書の基本事項を使って入試問題を解くための指導法などございますか。何かヒントをいただけますか。
教科書の基本事項と入試問題が要求しているレベルには私自身、かなりのギャップがあると感じています。まず教科書の内容を教えるという立場で考えた場合、導入の段階で公式がもっているイメージであるとか、その項目を学ぶことで何ができるようになるのかなど学ぶ意義や効能を指導の中で丁寧に説明してあげることが大切だと思います。入試問題を教えるという立場で考えた場合、教科書レベルの基本事項及び入試問題を解くのに必要な公式などを問題解法の手段として分かりやすく整理してあげることがポイントになります。入試問題を解くためには、インプットした知識の中から必要な解法をアウトプットできるようになることが目標なのですから、問題の状況をきちんと把握する読解力、どのような選択肢があるのかを引き出せる発想力、論理的に推論していく思考力を日常の学習において心掛けることが大切です。
高3生に問題演習を行っているが、生徒の力がついているように感じられません。予備校ではどのように生徒の力をつけさせているのでしょうか。
3年生になると受験を意識して多くの学校が入試問題演習の時間を設定しています。その際に目的意識がない上での演習には効果はあまり期待できないと思います。基本クラスでは、根本的な考え方や基本的な計算の型を身につけるために教科書章末問題のような定型タイプの問題をある程度繰り返し学習させています。標準クラスでは、授業で学んだことを理解し納得しているのかを確認させるために授業の問題と同じようなパターンの問題や、解法の骨格は同じであっても一部の条件を変化させたような類題演習をさせるのが効果的です。また上級クラスにおいては発想力や思考力を鍛えるために発展レベルでも解法の根拠がしっかりとしたものや、解法へのアプローチがいくつかあるような演習問題などを中心に演習させています。目標レベルや学習段階に応じて、より効果的な演習問題の選び方があるのだと考えています。
予備校で、急激に成績が伸びた生徒に共通する特徴などございますか。
成績が伸びていく生徒の共通点は、「正しい学習法の中から自分のスタイルに合う学習法を選ぶことができ、一定以上の期間継続して努力している」ことだと思います。勉強していくなかでその科目の面白さを感じたり、内容に興味を持ちもっと続きを勉強したくなったりすると、やる気のスイッチがオンになり努力することが楽しくなりますから、伸びていく確率はぐっと上がります。できるようになりたいという思いから頑張って勉強した結果、成績が上がるというパターンもあるかと思いますが、特に数学という科目は何かしら興味が湧かないと努力の継続は難しいと感じます。面白さや興味を持つポイントは生徒それぞれなのですが、数学の歴史を紹介することで人間味あふれるドラマを感じたり、数学と自然科学の繋がりを見せてあげることで数理物理学的な側面を感じてもらうのも面白さの一つなのではないでしょうか。
国公立で数学が必要とされる場合、センター形式の問題はいつから取り組めばいいのでしょうか。もしくは、記述対策だけでいいのでしょうか。
国公立大の二次試験の問題とセンター試験の問題はレベルも形式もかなり異なりますので、それぞれに応じた対策が必要です。センターで高得点(80点以上)を狙う場合、高3の一学期からセンター対策を始めるべきだと思います。第一段階はセンターで出題されるすべての分野について、基本事項及び公式のチェックをする。教材は一問一答穴埋め形式の問題で十分です。第二段階はセンターの過去問(本試5年〜10年分)を学習する。この際のポイントは、一つの分野を集中してじっくりと丁寧に学ぶことにあります。センターの出題パターンと傾向をきちんと認識することが対策の核となるからです。最終の第三段階はセンターの予想問題集及び一部の追試の問題を用いて素早く解くスピードをつけるトレーニングです。最終段階ではやはりセンターに対応できるスピードを上げるための練習(急いで計算するスピードではなく読解力を駆使したスピード)が必要です。
式変形や補助線を経験だけでなく、生徒にも自分で気づけるようにさせるにはどうしたらよいのでしょうか。
数学の学習において、解答は理解できるけれど自分では解くことができない状況の生徒はとても多くいます。最大の理由は解法の理屈や根拠をきちんと理解してないのに、単純に解答を覚えてしまうことにあるのだと思います。その問題点を解決するためには、普段の学習姿勢が重要です。どのような方法で解くのかというHOW-TO的な解法を学ぶことだけでなく、なぜその解法を思いついたのかといったWHYに対する根拠をきちんと把握して学習することが大切です。それを生徒に意識させるためには授業中での発問が重要なポイントになります。式変形1つとっても、なぜそのような式変形をしたのか、どのような方向性で式変形をしたいのかという目的意識があるのかどうかでは雲泥の差があります。常に、目的意識の問いかけや解法を選択をする際の効果的な発問を入れた授業をすることが大切だと考えます。


望月  光
古文
【8/4(日)実施】

センター古文を50分の授業で行う場合、20分で解かせ、30分で解説を行っていますが、解説の時間が足りません。何かいい方法はありますか。
まことに、まことに。解説時間が足りないことほどつらいものはありませんね。私の場合、現代語訳と軽い解説で理解できるような問題はプリント等を作成して自習してもらい、これは重要と思う問題をいくつかしぼって念入りに講義するようにしています。受け手の学力にもよりますが、センターの過去問で生徒の多くが間違えるところは毎年二問ぐらい。そこに的をしぼれば、案外生徒たちも満足してくれているようです。センターの問題は講義しにくくて困りますが、何とか工夫してお互いいい授業ができるようがんばりましょう!
古典という遠い世界のことを、どのように生徒に身近なものとして伝えておられますか。
若い人に古典の素晴らしさを伝える。意味のあることですが、身近なものとして伝えるのは難しいですね。まず、教える側が古典にほれこんでいること。そして、教えようとする文章に感動していること。このふたつが決め手になると思っています。自分が面白いと思っている文章であれば、自然と迫力が出るのか、どんな学力の子でもきちんと話をきいてくれるような気がします。予備校は自分で教材を作成することが多いので、面白いと思えないような文章はなるべく扱わないようにしています。どうしても扱わざるを得ない場合は、「面白くない」ということを正直にいうと、逆に生徒たちが面白がってきいてくれるようです。先日「文楽を見てあくびが出て困った」といいながら話しはじめると、なんだかみんなとても嬉しそうでした。もちろん、どさくさまぎれに浄瑠璃の面白さを語りました。時には、生徒たちのいるところに降りて行くことも必要なのかと思ったりしました。
逐語訳しながら授業を進めると単調になってしまいます。どのようにメリハリのある授業を構築したらよいのでしょうか。
そうですね。逐語訳をすると単調になる。私も、いつもそうです。私の場合はそれを避けるために、15分から30分に一度、重要な情報を盛り込むようにしています。授業の準備はそのことの吟味がほとんどです。また、メリハリということでいえば、つまらない文章では「ここはだれるところです。駆け足で終わってしまいましょう」と正直にいい、大切なところでは「ここは重要なところです。暗唱してもいいぐらいですよ」などといって、生徒が気楽に聞いたり、集中して聞いたりできるようにしています。
基本事項を定着させるための効果的な方法はありますか。
基本事項を定着させる。本当に難しいことですね。代々木ゼミナールでは、本年度から一部の授業に小テストを導入するようになりました。以前よりはよく定着するようになりましたが、それでも苦手な子は時間がたつと忘れてしまいます。また、断片的な知識は身に付いても、文章を読むときにそれが応用できない子もいます。そういう子には、毎回問題文の最初4〜5行に絞って、文法的な分析をしたり、現代語訳をやってきてもらったりしています。問題文すべてだと集中力が続かず、飽きてやめてしまうことも多いので、一回分は短く、それを毎回、というように課題を出すと、生徒も続きますし指導にも時間がかかりません。ご参考になれば幸いです。
最近の古文入試問題の傾向と、それに基づく日々の授業での対策についてお聞きしたいです。
古文の入試問題。最近は易しくなって参りました。いいことだと思っています。私はいつも現役生たちに「教科書をしっかりやっていれば、入試問題はそこから出る。まず足もとを見なさい」と繰り返して申します。学校でやっていることと、受験の準備とは別物だと思い込んでいる子が多いからです。先生方は、授業の中で、「この文章のこの表現は、こんなふうに入試問題になっているんだよ」と、具体的に入試問題を示して行っていただけないでしょうか。具体的に申しますと、たとえば重要単語。「今出てきたこの単語は、単語集には入っていないけれど、入試問題にはこんなふうによく出題されている重要なもの。だからここでしっかりチェックしておくこと」。先生方のこんな一言で、学習意欲のわく生徒たちもたくさんいると思います。もちろん、高校の古文の授業は受験のためではありませんから、タイミングを見て程よくで結構です。よろしくお願い申し上げます。


諸岡浩太郎
世界史
【8/4(日)実施】

覚えたことを定着させるにはどうしたらよいのでしょうか。ヒントをいただけますか。
知識の定着について。私の授業では、毎回、はじめの5分間で復習を行っています。前回の授業で、板書で赤線を引いた用語だけは必ず覚えてくるよう生徒にあらかじめ伝えておきます。そして、授業開始と同時に前回の重要事項を次々と当てていきます。その際、「今年の早稲田の政経で書かせた」、「去年の東大の第3問でこんな切り口で訊かれている」と、最近の入試問題に触れながら、今の努力が合否に直結することを認識させるようにしています。答えられないと、私は怒るよりも悲しみます。どんなに大切な用語なのか認識させることができなかった。そのことを素直に悲しみます。生徒たちは人前で恥をかきたくない意識も手伝って真剣に覚えてきてくれます。授業開始前、生徒たちが自主的に前回の授業の内容を当て合いっこする姿が見られるようになるとしめたものです。こうした場合、授業の雰囲気も心地よい緊張感に包まれ、クラス全体の成績も向上していきます。
世界史に興味を持っていない生徒に関して、どのように興味を持たせたらいいのでしょうか。
興味の持たせ方について。生徒たちが世界史に興味を持つきっかけを毎回の授業で作りたい。そう意識して授業を行っています。世界史を好きになってもらうことが学習意欲の向上や記憶の定着を図る上でも効果があると信じるからです。たとえばフランスの植民地支配でベトナムやアルジェリアについて説明した後、フランス料理に東南アジアのシャンツァイや北アフリカのクスクスが取り入れられていることに触れたことがあります。レストランやそのメニューを紹介すると、生徒たちは興味を持って話を聴いてくれます。話題になっている上映中の映画や開催中の絵画展でこれはと思うものは授業の合間で触れることにしています。そして、現在の国際情勢。イラク戦争を理解する上でベトナム戦争の知識は不可欠なはずです。どこへ旅するか、どんな小説を読むか、ニュースの背景は何か。世界史の学習が日常の生活、そして、人生を豊かにすることも授業で伝われば嬉しいです。
論述指導の際に注意すべきことなどあれば教えてください。
国立の論述について。学習を始めて間もない初心者に、いきなり仕掛けの複雑な東京大学や一橋大学の論述問題を課題として与えるのは適切ではありません。私の場合は、京都大学の素朴な良問を一学期の課題にしています。たとえば2008年の京都大学第3問「古代アテネの民主政」や2004年の京都大学第3問「4世紀のローマ帝国」の問題です。これらの京都大学の論述問題は解答で求められる知識がいずれも基本的なものばかりです。生徒たちが自分で文章にする過程で重要事項の繋がりや歴史の流れをきちんと理解する良いきっかけにもなります。課題を出す上でのポイントは、あらかじめ授業で問題を解説し、箇条書きで答案の骨格を示してあげることです。そうして誰でも取り組めるようにした上で論述を競わせます。優秀答案はプリントにして生徒たちに配布します。京大の論述答案を自分の言葉で書き上げることは生徒たちにとっても大きな自信に繋がるはずです。
限られた時間で広範囲にわたる内容をどうやって深く生徒に理解させるかのヒントをいただけますか。
限られた時間で広範囲の内容をどうやって深く生徒に理解させるか。これは世界史を教えるすべての教員が抱える永遠の課題。そもそも世界史を古代から現代まで高度な受験レベルまで限られた授業時間で教えるのは不可能です。でも、生徒たちには受験が待ち受けています。授業はきっかけを作る場所にすぎないと私は考えます。まずは学習の習慣を身につけさせ、適切な学習の指針を示し、なによりも学ぶ楽しさ知ってもらう空間なのだと思っています。英語や数学などの科目とは違い、世界史は教えるそのテーマだけなら、どんな生徒でも受験レベルで最高水準まで到達させることができます。だから私は初心者にもあえて京都大学や早稲田大学の良問を使います。そうした問題を扱う際に注意すべきことは、生徒たちが問題で求められている気づくべき点に気づけるように授業で暗示しておくことです。問題の意図を理解できるように授業を展開することは大切だと思います。
演習で取り上げる問題は、時期によって指導方法などに違いがありますか。
東大や一橋大の論述を練習させる時期について。合否の決定的な要素が英語、数学、国語の科目にあることは明らかです。一学期は最低限しか論述には触れません。夏からは徐々に練習させますが、平均偏差値が65に達していない場合はやはり論述は見ません。10月半ばあたりまで英数国をしっかりやってもらいます。標準的な通史の理解がなくては東大・一橋の論述は不可能です。それまでは標準的な知識の習得に力を注いでもらいます。やはり決定的に重要なのは、センター試験が終わった後の約1ヶ月ではないでしょうか。その際、大切なのは一般的な論述問題ではなく、受験生の志望校の過去問で典型的な良問を示してあげること。東大なら2006年、2009年、2010年の第1問。一橋なら2004年の第1問、2002年、2009年の第2問です。問題文から条件を見抜き、些末な知識を排除して、大きな構造を示す。平易な言葉で、論理的な答案を目指します。


藤原 康雄
化学
【8/4(日)実施】

生徒の計算力不足に対する対策をどのようにとっていますか。
僕の授業では、計算用紙(裏紙と言っています)を各自に用意してもらっています。立式の後、「はいっ、じゃあ計算してください」と言ってある程度の時間をとります。授業の予習の時点で、電卓を用いずに自分でも解いていますので、どのくらい時間がかかるかは把握してあります。割り切れない計算が多く、時間がかかるものは、「復習するとき、ここから○分ね」と伝えメモを取ってもらっています。いずれの場合も、まったく間に合わない生徒は、自己申告で講師室に来てもらい、計算用紙に書いてある計算過程を確認しています。そこで明らかに遅い原因が見つかることが多いです。その場合、「僕はこうやっているよ」をその場で見せてその紙を持ち帰ってもらっています。地道な作業ですが、講師室に来てくれた生徒には大きな効果が出る方法です。
限られた時間の中でどこまで授業内で扱うのかに悩んでいます。何かヒントをいただけませんか。
クラス設定によってだいぶ異なってきます。東大レベルのクラスでは、過去問の解説を通じ、作題者の意図や解法の必然性をつかむ訓練を行います。「この文が言っていることを、この問題ではこのように使います」というような形の解説が多いです。ハイレベルのクラスでは「自分で進めたことはあるけど、各単元の基礎的な問題はできても、難しくなるとできなくなる」という経験をもって授業に出席する生徒が多くなります。過去の指導の経験から、「ここより上のレベルからできなくなる」というポイントを予想し、ここを中心に進めています。このクラスで、「自分でもできるところしか解説されなかった」という感想を持たれるわけにいきません。基礎クラスの場合、「問題集の基礎レベルと同様の問題≒数字だけ違う問題」を解けるところまでもっていきます。授業を聞けばそこまではできるんだ、という成功体験をもたせることがここでの目的です。
生徒の理解の定着のためにはどのような工夫が必要でしょうか。
各単元ごとに、ある程度固定した解法を考えます。理論化学であれば「この単元は多くの場合このような立式をしていた」、有機化学の構造決定であれば「この手の文章は多くの場合このタイミングで異性体を列挙していた」などのイメージがつくように、ぶれない解法を授業中に提示します。赤本にトライした生徒が、「いつものやり方でいこうと思ったらうまくいかなかった」と質問してくる状態をつくることが目安になるかと思います。数学なら「みんな一斉に増減表を書きはじめる」ができています。それを化学の問題でできることが目標になっています。
入試問題の解説等でいかに生徒に活動の場を持たせるかについて、何かヒントをいただけませんか。
東大クラスやハイレベルクラス、自分のオリジナルの授業では、考える時間をとります。ただし、問題自体をではなく、次に僕が書くことをです。ある程度のところまで問題文を読み、初めは板書せずに方針を考えるふりをします。そのとき、あとで板書のkeyになる部分は明言を避けておきます。その後、「じゃあみんなに伝わったかを確かめてみよう」と言って、空欄だらけの板書を作り、しばらくその空欄を考えさせます。特に、国公立大学や東京理科大などの「長文型問題」では大きな効果が得られます。基礎クラスでは、keyになる部分をほぼ明言したうえで、空欄を少し減らして板書しています。
授業でいつも注意していることや、受験直前期に何を重点に指導しているかについて、教えてください。
今から10年ほど前、授業後にこんなことを言われました。「先週の授業中にちょっと知らないこと、わからないことがあったけど、あのくらいは自分でやらないとね。」 授業で教わることは、「『自力ではできなかったり、非効率なもの』『この単元の的確な学習法』であって、それをもとに私たちは自分で勉強していくんだ。」そんな風に聞こえました。もちろん「自力ではできない」生徒が多いクラスもあり、すべてに当てはまることではないと思います。ただ、英語や数学と比べて「自分でやる」時間が少なすぎてしまうのは、授業スタイルの影響があるのかもしれません。それからは、次の授業までに彼らが化学を「自分でやる」時間がつくれるような授業・教材を心掛けております。受験直前期は過去問を用いた学習を進めていけるよう、その利用方法を伝える機会を多くつくっております。